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アフリカのトンボ玉、と言うと骨董品というイメージがあるかもしれません。確かに数百年を経て,かけたり風化してしまったりしているものも多くありますし、実用品というよりは、骨董品としての価値が高いものもあります。 しかし、右の写真を見てください。これはセネガルの観光パンフレットの中の一こまですが、赤ちゃんを抱くお母さんの胸元に光っているのは、そう、トンボ玉とビーズのネックレスです。 このネックレスに使われているトンボ玉は、写真から判断する限り古いものではなく、現代の大量生産品です。現在でもダカールの町のマーケット周辺にも何軒かビーズ専門店があり、カラフルなビーズが何十種類も売られています。 トンボ玉は昔のような貨幣としての価値はなくなりましたが、アフリカの人たちの日常にはまだまだ根付いている存在です。 このページでは土の中から出てくるような古い玉から、比較的新しい玉までを紹介していますが、すべて手作り品です。 トンボ玉の分類方法には、時代、産地、模様、材質、形、などなどさまざまなものがあります。古いものは素人が見ただけではどこのものであるのかわかりませんし、現代あるいは相当過去に作られたイミテーションもあります。 時代的に古いものは、もちろん石のものであれば有史以前のものもあるでしょうが、加工品としてはエジプトやフェニキアの時代、ローマ時代にまでさかのぼるものがあるようです。現在手に入る多くのものは、16世紀以降にベネチアやオランダで作られたものが多く、それ以外にモーリタニアやガーナで作られたアフリカ製のものも混じります。ガーナのものは材質が悪く、加工も稚拙なせいか、価値は低いですがなかなか楽しめます。一方モーリタニアの古いものは非常に珍しく珍重されています。 イスラミックビーズ Islamic beads
ミルフィオーリ millefiori模様は無地のものもありますが、多いのはミルフィオーリと呼ばれる、金太郎飴のような断面をちりばめたトンボ玉です。このほとんどはベネチア製ですが、新しいものには他の地域のものも存在します。左がその典型ですが、色や模様のパターンは千差万別、無数にあります。珍しく、美しいミルフィオーリはこちらをご覧ください。コレクションを増やしたいのですが、なかなか良いものは見つかりません。なおミルフィオーリの参考書に Millefiori Beads from the West African Trade があります。この本はものすごい数のミルフィオーリの写真と解説が載っており、お勧めです。英語版ですが、日本のアマゾンでも買えます。 シェブロン chevronストライプ模様のトンボ玉は、一般的にシェブロンと呼ばれます。右側の写真が典型的な例ですが、これは小さめのものです。本当のシェブロンはこの玉でわかるように、ガラスが何層にも重ねてあり、断面に山形の模様が見えています。しかし、現在では縦じま模様が入った玉のことを一般的にシェブロンと呼んでいるようです。シェブロンの参考書には Chevron and Nueva Cadiz Beads があります。この本も「これでもか」とシェブロンが収録されていますが、私が持っている緑のものはついていません。 ファンシー fancyファンシーというグループは、1800年代に作られたものが多く、ガラスの表面に模様を付けることでできています。色も黒を基調としたもの、赤を基調としたものなどいろいろありますが、華やかなものが多くあります。ただ手間がかかるために、手法としては現在では廃れてきているそうです。ファンシーはこちらをどうぞ。 アフリカ製 African上に紹介したのはすべてヨーロッパ、ほとんどがベネチア産のトンボ玉ですが、アフリカでもトンボ玉は作られています。アフリカ産のトンボ玉はこちら。モーリタニア産は歴史が異なるのでこちら。ネックレス collierトンボ玉はばらで売られていることもありますが、ネックレスの状態で市場に出回ることが多くあります。フランス語でこの状態のものをコリエと呼びます。以下はコリエの写真と解説です。曲がっているものが多いのは、長すぎてスキャナーに伸ばした状態では入らないからです。 |