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ミルフィオーリというのは、イタリア語で「千の花」という意味です。これは、花のような模様をトンボ玉の表面にちりばめることから付けられた名前のようです。英語ではモザイク・ビーズとも呼び、フランス語ではイタリア語からの直訳でミル・フレールと呼んでいるようです。 ベネチアのムラノ島では今でもミルフィオーリの技法を使ったガラス製品を作っていますから、ご覧になった方も多いかもしれませんね。もちろん実際には花と呼ばれている文様も一様ではなく、非常にバラエティーがあります。その種類の数は多分誰にも把握できないだろうと思います。 ミルフィオーリの製法は、基盤となるガラスに、小さな花柄などのチップを埋め込んで行くものですが、工程的にはチップの部分を作る作業と、それを埋め込む作業はまったく別のものです。それどころか、チップを作る業者と、トンボ玉を作る業者が別々であるのが普通だったそうです。チップは実際には、金太郎飴のように断面に模様が出るようにした、長いガラス棒(英語では cane と呼ばれます)を薄く切って作ります。この cane を作る業者と、cane を購入してたまに貼り付ける業者が別だったわけです。 ミルフィオーリの技法自体はかなり昔からあるようで、その紀元はローマ時代のモザイク・ビーズにあると書いている文献もあります。現在アフリカで見られるミルフィオーリは、大部分が1800年代末から1900年代初頭、多分1920年代頃までに作られたもののようです。驚くほど古くは無いわけですね。これ以前のものは相当珍しいと思われます。 形としてはアフリカに持ち込まれたものでは円筒形のいわゆる管玉が圧倒的ですが、管玉を曲げたエルボー(通称バナナと呼ばれています)や、管玉の断面を四角にしたものなどもあります。さらには丸い玉、卵形、涙型、薄い型などいろいろな形のものが作られています。写真集などにはさらに複雑な形をしたものも掲載されていますが、私はまだお目にかかっていません。チップの組合わせも多様で、一種類だけを使ったもの、二種類のもの、あるいは数多くの種類を使ったものなど、千差万別です。大きさも数ミリのものから、5、6センチを超えるものまでいろいろです。 技法的にも、ミルフィオーリと他の技法を組合わせたトンボ玉も存在しますから、何種類のトンボ玉が存在するのかは誰にもわかりません。多分、トンボ玉の数だけ種類が存在する、と言っても過言ではないでしょう。 ミルフィオーリのことを調べるのに最適な本としては以下があります。 |
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本によれば、こうした金色の加工を加えたものは、ヨーロッパ市場向けであったようですが、非常に少数ではありますが、アフリカでも見ることができます。 金色をしているのは、多分本物の金ではなく、銅をたくさん含むアベンチュリンガラスと言われるもののようです。 |
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多くの場合、一連数十個単位で売られますので、買うにもかなりの資金が必要で大変です。 |
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結構アクセサリーに使いやすいサイズで人気があるのですが、絶対数が少なくて手に入りません。 |
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これは今までに一個しか見ていないサイズのミルフィオーリ。作られた年代や製作所は上にあるものと同様、ムラノ島です。 |
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左はまったく同じ模様の薄型、碁石のような形をした珍しいものです。一連はこちら。 |
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このミルフィオーリは非常に珍しい模様をしていますが、end-of-the-day と呼ばれる、いろいろなパターンをランダムに埋め込んだものです。大きさも6センチもあり、貴重品です。 |
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右側はカラフルで一見パターンがないように見えますが、やはり一種類のパターンを溶かし込んで作られています。 |
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ミルフィオーリなどのトンボ玉はとんぼ玉ミュージアムショップで購入ができます。ただし、このページに紹介してあるようなものの在庫があるかどうかはわかりません。 |