アフリカのトンボ玉 歴史  
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 現在アフリカ各地で見られるガラスのトンボ玉の多くは、トレードビーズと呼ばれ、今から500年前ごろから、イタリアのヴェネチアがアフリカとの交易のために作ったものです。

 このホームページに紹介してあるものの多くは、通称ベネチア玉と呼ばれています。

 それまで地中海貿易の覇者だったヴェネチアは、喜望峰を廻る交易ルートの開拓で窮地に立たされます。

 そのためヴェネチアはアフリカとの交易に力を入れることにしました。

 美しいトンボ玉は、アフリカの人たちを魅了し、象牙などアフリカの産物と交換されました。

 そして交易品の中には、奴隷も含まれていたそうです。美しいビーズ玉と交換に売られていった数多くの人たちがいたわけです。

 現在ヴェネチア製のトンボ玉は、西アフリカ各地で多数を見ることができますが、東アフリカでも出回っています。

 ただしミルフィオーリと呼ばれる代表的な玉の大部分は、19世紀から20世紀初頭に作られたものが多いそうです。

 美しい玉の裏側には、ヴェネチアの栄枯盛衰と、アフリカから奴隷となって送り出された多くの人たちの悲劇が隠されています。

 またアフリカ大陸ではフェニキアの時代に既にトンボ玉が作られていました。数は少ないですがフェニキア、ローマ、そしてイスラム時代のトンボ玉も見ることができます。

 トンボ玉の歴史はエジプト時代までさかのぼりますが、その頃のものは見つけるのが困難です。