イスラム玉に目玉模様のアイビーズは多いですが、これは珍しい緑色のアイビーズ。一体どこで作られたものでしょうか。
トンボ玉博物館
イスラム玉モルフィア
この玉はイスラム玉の中で、西アフリカでは時折見かける通称モルフィアと現地で言われている種類の玉です。目玉の部分と縞々の部分とが別の部品になっており、いくつかの部品をくっつけて玉に仕立てられています。芯になる部分はありません。
一応、イスラム玉に分類していますが、ひょっとするとモルフィアはイスラム以前、ビザンチンくらいの時代まで遡って作られていた可能性もあります。
状態の良いものはあまりなく、当初は激しく風化した模様がかろうじて見えるくらいの玉が持ち込まれていましたが、状態の良いものもいくつか手に入れることができました。
値段は…高いです。でも貴重なトンボ玉ですから、持ち込まれたら買わずに入られません?!
レンガ色のティクタクトー
これは19世紀に作られたファンシーの仲間、英語でティクタクトーと呼ばれているビーズのレンガ色バージョンです。
なぜティクタクトーと呼ばれるのかは知りませんが、このような筒型で、網がかかったような模様のトンボ玉をこう呼んでいます。
よく見ると、縦横の白い線の部分は、非常に細いガラスをよって作ったものを埋め込んでいることがわかります。意外に凝っているのですね。
丸いミルフィオーリ
これは多分1900年前後に作られたと思われるミルフィオーリの丸玉です。面白い模様、目を引くストライプ、そして使いやすい形とサイズで人気です。
こちらのブログで実際にこの玉を使ってブレスレットを作られているのを見つけました。
さいころ型のイスラム玉
これは時折見かけるさいころ型のイスラム玉です。ほぼ完全な六面体になっており、各面には模様が埋め込まれています。この模様はどうやらミルフィオーリのように切片を作って断面を見せているのではなく、別の模様付きの玉を作って、潰して平たくしてから埋め込んでいるように思えます。
二つのパターンを組み合わせた管玉
もっとも美しいイスラム玉
これが今まで見た中で、多分最も美しいイスラム玉のひとつ。アラビア語でモルフィアと呼ばれる仲間のひとつです。時代的にはビザンチンからイスラムの初期、でしょうか。
透明感のある水色の中の白、赤、黄の輪。そして間に入る縞模様。めだった傷もなくすばらしい逸品です。
世界のトンボ玉
世界のとんぼ玉は、数少ない日本語の、アンティークトンボ玉に関する資料です。フェニキア以前の玉から、近代の日本の玉まで網羅されていて、トンボ玉の歴史を概観するには良いです。
ただし、一部の玉の年代の記述には疑問が残りますし、明らかに間違っているものもあるので、年代判定はあまり信用しない方が良いと思います。
Nueva Cadiz
これは Nueva Cadiz と呼ばれる玉の仲間。Nueva Cadiz には16世紀頃の古いものと19世紀の新しいものがありますが、これは粒の小さい古い時代のものの方だと思われます。
端は削ってあり、模様が見えるように加工してあります。
大粒卵形ミルフィオーリ
これは最近ではあまり見ることがなくなった大粒の卵形ミルフィオーリです。この手の物としては入手できたのはこれがまだ2回目。今回の方が大粒です。
模様から見るとベネチアのモレッティのものでしょうか。
良質な古いミルフィオーリはどんどん入手しづらくなってきています。